VPDCAプロモーティングは、考え方(thinking)の後押しです。以下の内容のように、対談形式で、アナタの考え方、考えていることを、改めて意識化し、意図を再確認するプロモーティングです。意思の中の意志を再認識することで、行動に移りやすくするための後押しです。
思考の転倒
過去の結果が今の姿であり、未来は、その延長線にあると見る考え方があります。
過去の事実は変えようがないことから、過去から現在、過去から未来を観ようとする考え方です。
事実は揺るがしがたいものですが、事実の見方は変わり、変えることができます。
一方、思考の流れを転倒し、未来から現在、未来から過去を見る考え方があります。
ありたい姿、望む姿を、よりハッキリと意識し、今から、それを目指すと意図することで、意思を意志に変えることができます。
まだ現実化していない望む姿と、今の姿を対比すると、足りないもの、ギャップが見えてきます。
過去の事実を、自分の成長の過程と捉えることができます。
VPDCAの概要
「VPDCA」という言葉は、品質や経営、業務管理の手法である「PDCA」の頭に、ヴィジョン(Vision)の「V」を付けた造語です。上図の概念図のように、難しい考え方ではなく、ただ、思考の流れの転倒を促し、一般で言われるPDCAの解説は、学術的なものや専門的な多く見られますが、言葉を、日ごろ使われる言葉に置き直し、一般の個人や会社で、もっと簡単に思考の整理に使えるよう表現し直します。
望む姿とギャップ
望む姿(ビジョン)
どうありたいか、どうなりたいかを表現。
能力、関係、環境など。
今の姿
今の姿を観察。
考え、思い、感じることを素直に表現。
能力、関係、環境など。
最初に、望む姿を思い描くと共に、文字などで自由に表現します。能力、関係性、環境などを切り口にすると整理しやすいことがあります。そして、今の姿を、同じように、自由に、望む姿と対比しやすいように表現します。
文字、言葉で表現してみると、その言葉が、日ごろ思う姿と一致するのかどうか思い直したり、あやふやだった思いが、言葉にすることで、より鮮明に意識されることがあります。今後、何度でも、いつでも、書き直し、ブラッシュアップしていくものです。自然に、気軽に表現します。
望む姿と今の姿が表現されると、その対比から、両者の隔たり、ギャップが自然に見えるはずです。そのギャップを解消する方法や条件などを考えて表現します。その方法や条件が、今から取り組む行動の対象となります。
道筋
道筋
ギャップ解消の解決策、方法、指標→計画。
今、予測、想定できる事態や困難などに対処する方法。
対応策と段階的行動と予想される結果。
望む姿と今の姿のギャップを解消する方法や条件が、そのまま、道筋となります。今後、書き直し、ブラッシュアップしていくことで、計画と認識されるものになります。構図、エスキースから入るように、自分の想い、考えを表現します。
道筋や計画に、SMARTという考え方が参考となります。
取り組む
行う、取り組む
道筋に沿ってやってみる、行う。
取組む。
考えが変われば、行動が変わる
行動が変われば、習慣が変わる
習慣が変われば、人格が変わる
人格が変われば、運命が変わる
福沢諭吉
考えが変われば、行動が変わる
行動が変われば、習慣が変わる
習慣が変われば、人格が変わる
人格が変われば、運命が変わる
Sow a thought, reap an action.
Sow an action, reap a habit.
Sow a habit, reap a character.
Sow a character, reap a destiny.
William James
熱心に行動する、苦労しながら行うという意味で、取組むという言葉があります。
道筋に沿い、人、モノ、コトと取り組むことで、既知のものだけでなく、未知のものと出会うことになります。道筋を考える時には知らなかった人や物事との取組みによって、新しい関係を作り、新たな情報を蓄積することになります。
確認
点検、確認
道筋と取組の結果の一致、相違を点検、確認。
確認の方法は、大きく分けて、デジタルの方法とアナログの方法があります。
励まし
励まし
一般に、PDCAのAは、Act、Actionの意義、新たな行動、改善。
新しい行動、静から動への移行には、エネルギーが必要。
確認・点検で、道筋通りではない事柄が分かります。
- 考えた道筋通りの行い(行動・環境・能力など)で、予想通りの結果を得る
- 考えた道筋とは異なる行いで、予想通りの結果を得る
- 考えた道筋通りに行うが、予想とは異なる結果となる
- 考えた道筋とは異なる行いで、予想とは異なる結果となる
これまでの道筋を修正し、改変するわけですが、以前、分からなかったことが分かるようになるものがあります。道筋は、既知を前提として、未知のものには道筋を描くことはできません。行なうことで、未知のものに出会い、対応することで既知のものとし、これまで既知としていたものでも、修正するものがでてきます。また、望む姿も、加筆したり、あるいは、修正したくなるものもでてくるでしょう。
未知のものやよく分からないことに対応する、あまりしたことのない行いをする、こういうことは、誰もが違和感を感じ、抵抗を感じます。飛行機が離陸する時にもっとも燃料を消費するように、新しいことをし始めるには、相応のエネルギーの消費を伴います。アクセルをふかすこと、励ましが必要とされます。
思考や発案の視点
思考するのは私やアナタという人であり、人の数ほど考え方があるのですが、日ごろの人の考え方、感じ方を観測する、参考になる視点があります。気づきや発見のきっかけになるかもしれません。
フロー理論
ミハイ・チクセントミハイ教授のフロー理論では、人は、時間を忘れて物事に没頭する時があり、その様子は、スキルとチャレンジの相関で、特定の領域=フローにある状態として捉えることができ、フロー状態の活動によって、人はいつまでも成長できるという考え方が提唱されています。
いささかくどいのですが、気になる点について、コメントを入れます。
- Skill
英語圏でいうスキルという言葉は、性格や天性的なものではなく、個人の努力、練習、訓練によって習得された能力のことを、特に、指すようであること。技能。 - Challenge
文献には、チャレンジの他に、”Opportunities for action”という言葉が用いられているものがあり、「挑戦」という言葉からイメージされる自律的な意欲だけでなく、「行動のきっかけ」というように、その環境やタイミングなどを含む意味で使われているように思われることから、「意欲、やりがい」と少し広い意味で捉えられること。
教授は例を上げて説明しています。
チャレンジとスキルがバランスする状態は、スキルが向上し、習熟するにともない、意欲を集中を然程必要としなくなり、退屈領域のB点に移行することになります。スキルに相当する対象や環境に取り組むようになることで、やりがいが刺激され、改めて、意欲を持って物事に熱中するフロー領域での活動に移行しますが、同様に、新しいスキルの定着によって、D点に至ります。スキルの向上と共に、チャレンジレベルを上げ続けることで、フロー領域の活動は限りなく続けられます。
「フロー体験 喜びの現象学 M.チクセントミハイ 今村浩明訳」アマゾン
「フロ-体験とグッドビジネス: 仕事と生きがい M. チクセントミハイ 大森 弘訳」アマゾン
知情意
人の心理と行いの関係考える、とても啓蒙的なチクセントミハイ先生の教えから、個人的に、そのフロー領域の概念図は、カント教授の提唱する知情意の考え方にとても親和します。
チャレンジとスキルの相関、知情意のバランスで行いを、より活性させる、これを、もっと身近な例で捉え直します。
人の傾向
自分を含め、人は、疲れたら休み、休んだ後は、また、立ち上がるを繰り返します。人、環境、能力など、全てが不変ということはなく、それぞれの関係性で、退屈にも、不安にもなる時期があります。フロー理論、知情意のモデルを当てはめるなら、上図のように、その時々、自分や人に望まれる、次のステップのきっかけがつかめます。
少し視点を変えて、顧客という人の傾向を、同様に想像すると、下図のように考えることができます。他の人に働きかける、次の行動のよすがとすることができます。
マーケティング3.0
「マーケティング3.0」は、2010年、マーケティングの父と言われるフィリップ・コトラー教授が、マーケティング専門会社社長ヘルマワン・カルタジャヤ氏と、そのコンサルタントであるイワン・セティアワン氏と共に上梓した「マーケティング3.0」で提唱される考え方です。
これまでの、製品志向、顧客志向というだけでなく、これからは、世の中をより良くするという社会志向のマーケティングが中心になることを予測しています。
この考え方は、1754年に制定したとされる、近江商人、中村治兵衛氏の家訓をきっかけとする、「売手よし、買手よし、世間よし」の「三方よし」の言葉にとても親和します。
コミュニケーションのPDCA
「能力、関係性、環境など」、「ヒト、モノ、カネ」、「ヒト、モノ、コト」などの他、コミュニケーションを切り口に考えると、コミュニケーションのPDCAとでも言える切り口が想像されます。
- Presentation
- Demonstration
- Communication
- Accelaration
- 総論と各論を説明する/捉える。
- 実際にしてみせる/しているのを観察する。
- させてみて、考え、思いを話し合う
/してみて意見、感想、疑問を持つ。 - 良い点を見つける、共感する
/「!」という感動を忘れない。
旧日本海軍、山本五十六大将の言葉「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば人は動かじ」に、PDCAという頭文字語をはめ込んだ語呂合わせですが、自分と他の人、他の人同士のコミュニケーションだけでなく、自分自身とのコミュニケーションを考える切り口になります。
VPDCAプロモーティングについて
VPDCAプロモーティングの内容は、以上の通りです。考え方を考える後押しですが、読んで頂ければ、理解して頂けると思います。これらを、アナタ自身の場合として考えることで、新たな想い、そして、行いを再起動、再活性させることができます。とは言っても、ひとりではしにくい、当てはめ方が、よくわからないということがあるかもしれません。その場合は、ご連絡ください。一緒に、以上の内容について、アナタの具体例として組み立てる後押しを致します。
- STEP1問合せと相談、見積もり 数日~1週間
個人情報を頂く必要はありません。やりとりできるメルアドを頂ければ、指定のアドレスへご連絡させて頂きます。
今の仕事や経営で目指す姿、具体的な現状について、また、希望などをご連絡ください。内容を視覚化、分かりやすい形に置き換えながら、VPDCAの構想と見積(税込9,900円)をご連絡します。
構想などを見た後で、やっぱりやめとくとお考えなら、以上までの相談だけで中断します。その場合は請求などは致しません。ご了解頂ける場合は、ご入金があり次第、VPDCAの各論について、メール対話を進めていきます。
- STEP2課題対応思考図、学習メモ制作 1週間
課題対応思考図やその考え方、そのためのレポートを作成します。
このSTEP2からがご請求の対象となります。数回のメールのやり取りになります。
- STEP3完了
意見、疑問点などがあればご連絡下さい。課題の範囲で、レポートの追加、修正、変更などを行い、相談致します。ご納得頂けたら完了です。
基本的には、およそ2週間、数回のEメールとレポート(PDF)の往復のプロモーティングサービスになると予想しています。
一度してみれば、多様に利用できますし、ひとりで何度でも再現できます。仕事や経営のやり方や考え方は、人の数ほど種々様々です。これが正解ということはありません。アナタが、アナタ自身の正解、ユニークな考え方や方法を見つけ、目指す姿を実現化するための、細やかながら後押しを致します。
言葉や文化の異なる海外で、ただひとりの日本人として活動している時、体感として半狂乱というものを意識したことがあります。母語が恋しかったのでしょう。日本語の本を手あたり次第に朗読し始め、偶然出会ったのが中阿含経の言葉でした。
過ぎ去れるを追うことなかれ
いまだ来たらざるを念うことなかれ
過去、そはすでに捨てられたり
未来、そはいまだ到らざるなり
されば、ただ現在するところのものを
そのところにおいてよく観察すべし
揺ぐことなく、動ずることなく
そを見きわめ、そを実践すべし
ただ今日まさに作すべきことを熱心になせ
たれか明日死のあることを知らんや
(増谷文雄訳『阿含経典第五巻』
人は皆、今、生きている。意識するのも、今であって、昨日や未来の自分が意識するということはない。そもそも、昨日の自分とは、今の自分が追おうとしている、思い煩う自分であり、今の自分ではない。過去の事実は変えようがないが、変えられるものがひとつだけある。それは、今の自分であり、自分の考え方である。同じく思うなら、思い煩う自分でなく、ありたい自分、望む姿こそ思うべきではないか、そう考え、思い直すことが、新たな行動の機会を作ります。