上図は、取引通貨値、通貨別の元帳データシートです。Excel外貨記帳簿記データベース(EFCB)には、取引値の元帳、会計値の元帳と2種類の元帳があります。実際の取引値だけを仕訳入力しますが、入力された値は、「レート」シートの相応の為替レートで財務会計用の値に数式で換算されて、同時に記録、蓄積されます。
取引値の元帳
「通貨」という項目を持つので、取引値の通貨別記録明細、残高が一目で分かるようになります。
上図のように、銀行勘定を通貨別元帳シートで表示させたり、その部分だけを他のファイルやシートにコピペすれば、月ごとに発行される銀行ステートメントと、そのまますぐに照合できますし、売掛金、買掛金など、外貨の取引でも、オリジナルの通貨の値で記録と残高を、すぐ照会できるようになります。
会計値の元帳
本文では、IDR会計の場合の例として紹介しています。会計値は「IDR」となります。
私の赴任した小さな海外法人では、外部の会計会社と顧問契約を結び、税務アドバイスを頂くと共に、正式な会計、決算書類の作成をお願いしていました。社内では、EFCBの仕訳データや原始資料などを、会計会社に、いつでも提供できるように整えておき、都度、会計会社から送られてくる財務会計書類を、社内の会計資料やEFCBと突き合わせることになります。財務会計は、ルピアに換算された数値だけが記録されますが、上図のように、取引通貨の値を並べて閲覧できるようにしておくと、一般業務の感覚を失わずに会計資料を読むことができます。また、この明細があると、全ての値が記録されているので、会計会社との打ち合わせなどに、とても重宝します。
大がかりなシステムを必要としないが、海外の簿記、または、外貨取引を簡単に記帳したいと考えている方々、どうも、お疲れ様です。新しいMicrosoft 365 ExcelやExcel 2021があれば、私のような、ITや会計の専門家でない、実務者のひとりでも、外貨記帳簿記データベースを作ることができます。しくみさえできあがれば、日々、仕訳を蓄積し、いつでも、「更新」ボタンをクリックするだけで、最新の元帳データ、合計残高データを使えるようになります。
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