仮想)社員心得:はじめに

この「社員心得」は就業規則に記されるルールや規則を示すものではなく、当社の考え方、社員なら知っておいて欲しい事柄などについて記されています。「社員」とは、社長、役職者を含めた、当社に勤務する全員を指す言葉です。その社員全員が共通の意識を持ち、社内外の人々と協働し、人に受け入れられ、喜ばれる商品やサービスを提供することで収益を得るという活動、つまり、経営を共に行うということを考え続け、いつでも、共に学び、成長する「共育」が社員というチームの基本姿勢であることを意識して下さい。

不変のものは存在しない

世に変わらないものは存在しないということをお互い知る必要があります。それを、完全、完璧ということは本来あり得ないことであると言い換えることもできます。良い状態はいつか悪くなり、悪いと思われた状態はいつかは良い状態になり得ます。ただ、何もせずに流れに任せておけばよいということではありません。良き状態をより良くし、維持するため、そして、悪しき状態を良き状態に変えるために、日ごろからモノゴトを良く観察し、目指す姿に向かう方法を繰り返し、研究、試行する必要があります。

知識は利用されて役立つものとなる

分からないという状態はとても恐ろしいものです。未知のものを人は恐れます。そのため、まずは知るということがとても大切なことになります。ただ、知るということ、知識を得たり、蓄積するだけでは意味がありません。肝心なことは、その知識を役立つように利用できるようにするところにあります。未知から知識を得るということは探検家精神の表れです。探検家が収集した知識を元に、それを役立たせようとすることが開拓者精神の表れとなります。未知から知識を得て、それを役立たせ、自然や社会環境に適応し、他の人々と共に一緒に生きる、協働するという考えが継続的に持続可能な生き方を目指します。役立つ知識があるのではなく、知識を役立たせる方法やしくみを見つけ、それを実行できるようにすることが肝心なことになります。

冷静であることが臨機対応のための姿勢

計画立案し、準備することが、人生設計や経営活動などの基本であると言われます。それは基本というよりは、望む姿を目指す活動に必要なことと言えます。基本だからするのでなく、必要だからするのだという意識を持ち続けねばなりません。

計画とは軌道修正するための指標であり、準備とはリスク軽減のための活動であり、それらは必要だから考え、行うのだと捉えるのです。計画を立てたから、準備したから完璧ということはありません。計画や準備は既に知っていることを前提として組み立てられ、行われるものであり、未知のもの全てに対応できるものではないからです。世に不変のものが存在しないということを意識すれば、知っていることだけで作られた計画だけでは、新しい環境や状況の変化に対応しきれるものではないことが理解されるはずです。完全ではないが、当座の指標であると意識することが、未知のものに対応する覚悟の基礎を固めてくれます。計画が完璧なものと思っていると、計画通りでない現実や事柄を直視できなくなりますが、より大切なのは、昨日の計画や準備でなく、今日という日の事実と人の考えや心持です。明日へ向かう今日という日に、計画を指標として考え直し、準備した事柄を応用していくのです。未知のものが必ずあり、既知のものも不変ではないということを覚悟すれば、分かっていることと分からないことを区別する冷静さを保てるようになります。冷静であれば、必要な時に臨機対応する方法を見つけ出せるようになります。


ここで言う「社員心得」とは、「チームの共通意識」と言い換えることができます。最初に記されているように、「共育」が基本姿勢となり、既述の通り「不変のものは存在しない」という意識を持ちますので、この「チームの共通意識」=「社員心得」も、都度、改善されていくことになります。それは書き直されるというよりは、上塗りされるというべきものとなります。

文章としては、前文がdeleteされて、新しい文字が記されたり、copy/pasteされるわけですが、前文のレイヤーに、新しい内容のレイヤーが上乗せされるというようにイメージして下さい。以前の社員の意識がdeleteされるというより、以前のものを前提として、新しい内容が上書きされるということを、時々思い出すことがあるでしょう。