社員20名未満中小企業のExcel活用

社員20名未満の中小企業の経営者や幹部の方、あるいは、リーダーとしてこれからいよいよ経営意思決定に参画する方などで、Excelの関数やピボットテーブルをもっと使えるようしたい、表計算としてだけでなく、Excelをデータベースとしてもっと活用したいとお考えの方はありませんか?

DX(Digital Transformation、デジタルトランスフォーメーション)という新しい言葉が叫ばれています。デジタル化によって、仕事や事業も変容させていくことが重要であるとは考えられても、そのためには、新たな投資や人員増加が必要と思うと、現在の喫緊の課題というよりは、明日の課題として捉えたくなります。しかし、既にお持ちのExcelを使って、作表のためだけでなく、データベースとしても使えるということや、そのために人を増やすのでなく、Excelの使い方などの知識を少し増やすだけで、DXのためのデジタル化はすぐにでも進められると分かれば、今これから、すぐにでも取組んでいけるのではないでしょうか。

取組むといっても、これから、Excelの関数やピボットテーブルの使い方などを習得し始めるとなると相応の時間が必要となってきます。目先の目的は、Excelの知識を増やすということではなくて、今の自分の事業・業務を、より円滑に進める方法やしくみを作ることなので、必要性は高いと分かっても、なかなかヤル気が起きないということになってしまいます。

必要である、けれど、しにくい、動きにくい・・・であれば、後押しをします、というのが、プロモティストのサービスです。

ヤル気が起きないのは、新しい知識習得が、どのように実務に反映されるのかがハッキリしないということや、望まれる姿は想像できても、そのために、例えば、どの関数をどう学べばよいか分からないこと、そして、Excelという道具が示す数値や図表の結果を具体的にどのように実務に活かすかが見えていないことに多くの原因を求めることができます。

最も期待される課題解消方法は、同じ職場に、今の実務に添って、道具の使い方とその結果、そして、その結果の利用方法などを、具体的に教えてもらうことですが、そういう人が会社にいない場合でも、今では、ITの所産であるe-mail、ExcelやWordファイルの送受信、場合によってはビデオ会話などによって、時空間に縛られない対応が可能となっていることはご存じの通りです。

ヤル気やしようという気を起させるのに肝心なことは、実務具体例によって、具体的な対応や利用方法を、新しいしくみを作りながら同時に確認し、必要によって、都度、しくみの内容や実務の一部などを改変するというところにあります。

プロモティストのExcel活用事例

プロモティストのこれまでのExcel活用事例から、もう少し具体像を想像してみてください。

現金配送の釣銭計算表

POSやEOSの時代になっても、取引先も中小企業、あるいは、個人事業主であると、仕入や振込計算、その手数料などに時間も費用もかけたくないと、依然として現金配達を要するところが少なくありません。余分な現金は持ち出さないという経営者の考え方があり、ある会社では、現金配達業務の際、釣銭は必要最低限の現金だけを携行するように指示がなされていました。同時に、それは、受取現金額をシッカリと確認することも意味しています。携行する釣銭額と回収額の合計額が最後に経理に届けられることで、現金出納の過不足がないことが、誰でもハッキリと分かるようになるからです。

数件の配達先であれば、予想される釣銭計算に然程の時間は掛からないのですが、十数件、二十件と配達先が増えるに連れ、慣れないと、釣銭の金種計算だけで数十分から半時間ほども時間を要するようになってきました。それまでも、用意する金種明細をExcelで作表していましたが、回収額と支払われる金種の差額を釣銭として、個店別に暗算、または、電卓で計算しながら、釣銭金種と枚数を手打ちで入力していたのです。配達が多くなり、時間が指定されている店もあると、配達に行かねばならない社員にとっては、気の滅入る、イライラする業務であり、時には、計算や入力間違いのため、釣銭に必要な金種が不足することもありました。

表計算ソフトとして、Excelの基本的な使い方は分かっていましたが、関数としては、指定範囲を合計計算するSUM関数だけで、他の関数は使ったことがなかったのです。この業務で、INT関数やROUNDDOWN関数を使って釣銭の金種計算をするようし、予想される支払金種と回収額だけ入力すれば、誰でもすぐに用意する金種明細を完成できるようにしました。30分かかっていたのが3分以内で完了できるようになったのです。加えて、社員それぞれが、他の業務でも覚えた関数を使いまわすようになり、何より、Excelというものをもっと良く知ろうという機運が目覚め、各業務にExcelを道具として、もっと使えるようになりたい、したいというヤル気、合わせて業務自体さらに改善されるという相乗効果が生まれました。

期待される生産予定ガントチャート

社長個人の人脈で始められたその会社は、社員4名ではありながら、海外製品の輸入商社です。待ちに待った大きな注文を齟齬なく完遂するため、まずは、海外工場と入荷予定の打ち合わせを行うことになりました。取引海外工場側でも、始めての大きな注文であり、日本着荷予定を、海上輸送、輸出手続き、そして、工場の生産予定と併せて調整、打ち合わせすることになります。

半年で、40HC数30コンテナの取引ですが、買手側のホームセンターの都合から、しばしば、入荷予定が変更されます。社長は商談はするものの、細かい資料作りは全て社員に丸投げです。当初は月単位での入荷・生産予定表をExcelで作表して相談していましたが、表作成の計算ミスや入力間違いと共に、工場側回答の辻褄が合わないことが発覚し、是が非でも実現させたい大注文の事前打ち合わせが大騒ぎとなりました。

社長を含めて社員全員が、大型発注で舞い上がっていたのです。その場限りの取り繕い問答が多くなっていたことを反省し、入荷予定のベースとなる生産キャパシティと生産予定を週単位で確認し合うことにしますが、これまで通り、ひとつひとつ、想定数を手入力するのでなく、変更された入荷予定を入力するだけで、必要シッピングアウト、そのための梱包と生産の日付、数量が、ガントチャートを遡りするように一覧表示されるものを考案し、制作しました。

当社社員は役員も含めて、Excelの関数については全く知見を持ちませんでしたが、これまで半年分の週次入荷・生産予定を制作するのに、ほぼ丸3日かけていたものが、数分で、工場協議のたたき台ガントチャートとして作れるようになると知り、Excel活用に目覚めることになりました。使用した関数は、IF関数、NETWORKDAYS.INTL関数、そして、お馴染みのSUM関数だけです。

当社だけでなく、仕入担当者にも、具体的な必要資料制作の一部として珍しい関数を利用し、その意味を説明などすると、人にもよりますが、それがきっかけとなって、次なる資料の相談が持ちかけられ、資料作りをメールで何度か繰り返すことで、瞬く間に信頼感を育成することができました。

Excel多通貨簿記

その海外工場は、日本の中小企業と総合商社の合弁で設立され、総合商社担当部からの出向者や定年退職者によって立ち上げられました。設立から数年を経て、母体となる中小企業から始めての海外赴任者を送ることとなり、大きな企業と小さな企業との考え方や文化の違いなどが良く理解されるようになった訳ですが、それぞれが現地社長として活動してみて比較すると、その違いが良く解ります。大企業出身者は単一職種に長けていて、小企業社員は複数職種を同時に実務としてこなすというのが実感される典型例のひとつです。

立ち上げの一環として、会計基幹システムが外注され、高価なCOBOLシステムが制作、運営されていたようですが、入社間もない現地社員に管理が丸投げされており、日本中小企業から三代目現地社長が赴任した頃には既にシステムは破綻していたようです。当初より、経理担当の現地社員が何度もシステム不調については、現地社長に報告を上げていたようですが、彼女らは、問題のないシステムデータだけを利用して、経理チームのふたりだけで、Excelによる財務諸表や会計資料を整えてきたため、外見では、あたかもシステムは順調に稼働しているように思われていたようです。

ともかく、破綻しているシステムなら、いかに高価であったかに関わらず無用と考えられたため、日本の中小企業で、中小企業としての営業、経理、仕入など各職種業務に携わってきた新任ディレクターは、旧システムの廃棄を指示し、以後、Excelだけで、経理会計業務の一切を執り行うこととしたのです。そして、どうせ自作しなければならないのであれば、もっと、実務に流用できる形態の簿記のしくみを作り上げることを思いつきます。

日本の会社では円建て会計を行い、円建てで申告するように、ある国ではルピアという通貨が流通していて、会計もルピア建てであることが要求されます。日本本社に現地から輸出する工場ですが、売上は円で行われ、その他の国からの輸入仕入は米ドル決済となります。当然ながら、会社銀行口座にも、ルピア・円・米ドルと最低三種類の通貨口座を持つ必要があります。

フツーは円売上が発生すれば、その値を該当する為替レートでルピアに置き直した値を仕訳し、ルピア建て会計を行うことになります。米ドル建て仕入額なども同様です。しかし、営業や仕入などの値は、現地社長や担当者も、実際の取引通貨値で商談し、記録、記憶するものです。ルピアに換金された値を言われても、改めて元の通貨値に計算し直さない限り、いつの、どことの商売のデータであるかが分からなくなってしまいます。つまり、現地の正式な財務諸表を見ても、商売の実感が湧かず、そのまま経営指標とすることができなくなってしまうのです。

そのため、新任のディレクターは、実際の取引通貨値で仕訳して、Excelの関数によって、月次の為替レートでルピア建てに換金した値を財務諸表値として記録し、同時に、取引通貨値は通貨種ごとに残高が照合できるデータベースを制作することにしたのです。税務を委託する事務所と相談し、税法などの問題がないことを確認し、 自らが先頭に立って、新しい会計のしくみを、Excelという道具に作り上げました。

当初、Excelで会計資料や簿記を行うことは社外だけでなく、社内からも大いに疑問視されていました。しかし、先の目論見通り、営業・仕入などとの親和性が良くなり、簿記のデータそのものを営業・仕入データとして、そのまま流用できるようになったことから、経理以外の社員でも、簿記に関心を持つようになり、また、経理担当者は、財務諸表制作だけでなく、営業や仕入実務に、より積極的に関与するようになってくれました。

とても興味深いと思うのは、簿記というと、多くの社員が敬遠するものですが、Excel関数の使い方やピボットテーブルの利用の方法を習得するとすると、この多通貨簿記のしくみを知ることには、然程の抵抗を示さないことです。Excelという道具が職種間のコミュニケーションを一挙に密にしてくれた例となっています。

関わっている実務にすぐ使えるか、いつでも変えられるかがポイント

ひとつは、今自分がしなければならない実際の業務にすぐ使えるものか、役立つ道具となるかということ、ふたつには、その道具を、自分の都合に合わせて、いつでも改良し、変えることができるかということが、Excelという道具を利用する上で、最も大切な視点です。

そのため、今行っている実務の意味、目的を良く知り、考えることが必要となります。これこれしかじかの表を作れという指示に基づいて作表するということと、これこれしかじかの表によって、何を知り、どうすれば目的を達成する行動を考えられるかということは全く異なる行動となります。最近のExcelは、表計算ソフトというより、データベースとしての機能を標準とするようになっています。Excelという道具の使い方を知ることで、こんなデータが採れるのか!このデータからみればこんな行動にも可能性があるだろうか?などと感動や新たな疑問、課題が増えてくるはずです。実務として、実際の行動のために、Excelという道具を使いまわせるようなると、例えば、上例のように、簿記を全く知らない人でも、Excelで財務諸表を制作できるようになります。それは、一種の自信を育むことにつながります。少しのExcelの知識の習得が、少しの自信を育み、そこから、もう少しこうしてみようという行動の変化が生じ、その結果がまた新たな知識習得、自身獲得、行動の変化を生じさせるということを体感すると、それはまるで流れ(フロー)の中にいるようであり、モチベーションを引き上げる方法のひとつを実感することもできるはずです。

Excelレッスンというより、Excelを道具とするプロモーション

具体的な実務や業務の課題、悩みを、共に、Excelを使って解決する方法を探す、そのための後押しを行うというのが、プロモティストのサービスです。その具体例に関する範囲でExcelの関数やピボットテーブルの使い方を情報提供し、新しいPower Queryによる新しいExcelの活用方法などを考えていこうとするサービスとなります。

これまでの事例を、経営・業務の考え方の例を含みながら提供し、アナタの経営・業務・・・というより、経営や業務を行うアナタの後押しを致します。

どうぞ気楽にご連絡下さい。